価値を創造するサービスをきちんと提供していきたい

所員へのメッセージ

 

価値を創造するサービスをきちんと提供していきたい

◆2007年5月の全体ミーティング ~価値の創造~
おはようございます。
知的財産に関する大きなニュースとして、高額な損害賠償額が発生した特許や職務発明など、価値の高い特許が大きな話題となりました。
損害賠償額の高い特許としては、アルゼの84億円や東芝テックの15億円が有名です。
これらの特許の出願時期を見ると、アルゼの特許も東芝テックの特許も、その分野の出願件数が伸びる、ずっと前に出願されていることが分かります。
職務発明が有名になったものでは、中村修二さんの青色ダイオードがありますね。中村修二さんが、「当時、こんな方法で青色ダイオードができると思って取り組んだ人はいなかった。誰もやっていなかったところで、私だけがこの方法の可能性を見て取り組んだんだ。」と、そう語っている新聞記事を読んだことがあります。
要するに、価値の高い発明の多くは、各企業が研究を進める、ずっと手前で生み出されているのです。
そういう発明は、非常に大きな価値を生んでいく可能性が高いのですが、残念ながら日本の多くの出願形態は、手前手前で出願するという形をとれていません。

従来、発明者が提案書を作り、提案書が特許事務所に送られてくるというのが一般的ですが、高い価値の発明を生み出すには、発明書を基にした出願では限界があります。
私も以前キャノンで発明を行っていた時は、提案書を書いてくださいと何度も言われたものですが、そうすると、自分が作っているものの中から、この部分を出そうかなと考える。それは要するに来年、再来年製品として世の中に出回るという部分で、他の企業も争って出願している分野になるわけです。
実際設計しているものというのは、具体的な中身がありますから、提案書を書くのが非常に簡単です。しかし一方で価値は上がりにくい。本当は、まだ設計をしていない、アイディアの時点での出願の方が、はるかに大きな価値を生む可能性が高いのです。

例えば5年後から10年後の間に、ハイブリット技術が更に普及すると、その技術の一部を使った他の製品ができるんじゃないか。どこに使ったら面白いかなあ。そんなことを考える発明者が、実は沢山います。
ですが、実際に設計をしていないとなると、うまく提案書にまとめにくいから出願にならない。そうやって、将来大きな利益を生む、画期的なアイディアや考えは埋れてしまいます。

日本全体の特許がきちんと強くなっていくためには、これから何を出願していくかについて、手前にシフトしていく必要があります。そして手前にシフトしていくためには、特許のスペシャリストが、発明者をサポートしていく必要があります。そこには大きな価値の創造という可能性が隠れていて、我々はそこに対して、きちんとサービスを提供していけるようになりたいと思っています。

もちろん、1人1人がこういったサービスを提供できるようになるには、多くの経験が必要です。しかしながら、チームとして、あるいはグループとして、組織としてやっていくということを通じていけば、全員がこの業務に協力していけると考えています。このサービスに対して、それぞれの人が今の能力の中で、どう取り組んでいけるかを事務所全体としても考えていきたい。そう思っています。 

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