国際登録出願

国際登録出願(マドリットプロトコル)の概要

国際登録出願によって、簡素な手続で、複数の外国
で商標登録を受けることができます。

国際登録出願によって最大84ヶ国で商標登録を受
けられます(2011年5月現在)。



<登録までの流れ>




A. 出願人
■ 国際登録出願をするには、日本で商標登録出願を
 しているか、商標登録されている(商標権を取得し
 ている)必要があります。

■ 国際登録出願の商標は、日本の商標登録出願又は
 商標登録と「同じ」でなければなりません。
 「似ている」商標では認められません。

  したがって、外国で商標権を取得したい商標が
 日本で出願・登録されている商標とは異なる場合
 は、外国で商標権を取得したい商標をまず日本で
 出願する必要があります。

■ 国際登録出願の指定商品/役務は、日本の指定商
 品/役務と「同じ」か「狭い」範囲でなければなり
 ません。

  例えば、日本の出願で「自転車、バッグ、椅子」
 を指定している場合には、国際登録出願で例えば「バ
 ッグ、椅子」(狭い)を指定できますが、「自転車、
 計算機」(計算機を追加してしまっている)を指定す
 ることはできません。

  なお、保護を希望する外国ごとに指定商品/役務
 を変えることができます。

■ 出願人は、保護を希望する外国を自由に選べます。

■ 願書(出願書類)は英語で記載します。
 保護を希望する外国ごとに翻訳する必要はありま
せん。

■ 手数料は、日本の特許庁と国際事務局に支払います。

  日本の特許庁へは、9,000円の特許印紙代が必要
 です(2011年5月現在)。
  国際事務局へ支払う料金には、基本手数料、付加
 手数料、追加手数料、個別手数料の4種類がありま
 す。基本手数料は必須ですが、他の手数料は国際登
 録出願の内容や保護を希望する外国によって不要な
 場合もあります。

  例えば、「フランス(個別手数料不要)」、「ドイツ
 (個別手数料不要)」、「米国(個別手数料必要)」の
 3ヶ国での保護を希望し、どの国でも国際分類を4
 区分として国際登録出願をする場合の費用は、2,301
 スイスフラン(約22万円/1スイスフラン96円で計
 算)になります。

■ 原則として、日本の商標登録出願から6ヶ月以内
 であれば、パリ条約の優先権主張をすることができ
 ます。

  パリ条約の優先権を主張すると、日本で商標登録
 出願をした日を基準として審査がされるので有利で
 す。

B. 日本国特許庁(本国官庁)
■ 原則として、特許庁が国際登録出願を受理した日
 が「国際登録日」となります。

 国際登録出願の書類を郵送した日ではなく、特許
 庁が実際に書類を受け取った日が受理日となるので
 注意が必要です。

■ 特許庁は、国際登録出願の記載事項と日本の商標
 登録出願又は商標登録の記載事項とが一致している
 か否かなどを審査(方式審査)します。

C. 国際事務局
■ 国際事務局は、国際登録出願の方式について審査
 し、方式に不備がなければ国際登録簿に商標を「国
 際登録」します。

  なお、この「国際登録」によって保護を希望した
 外国で商標が登録されたことにはなりません。あく
 まで、出願された商標などの内容が国際登録簿に登
 録されたということを意味します。

■ 国際登録された商標は「国際公表」されます。

■ 国際事務局は、国際登録について出願人が保護を
 希望した外国の官庁に通報し、その旨を本国官庁(日
 本国特許庁)と出願人に知らせます。


D. 指定国官庁





■ 各指定国官庁(出願人が保護を希望した外国の特
 許庁)は、それぞれ商標登録を認めてよいかを審査
 します。

■ 指定国の官庁は、国際登録出願の商標の保護を認
 めない場合には、国際事務局から通報があった日か
 ら18ヶ月以内に、出願人に対し「拒絶の通報」(国
 際登録出願の商標を保護できない旨の通知)をしま
 す。

■ 指定国の官庁が、「拒絶の通報」期間(12ヶ月又
 は18ヶ月)内に「拒絶の通報」をしない場合には、
 国際登録日からその商標がその指定国の官庁に登録
 されていた場合と同じ効果を得られます。

  したがって、その指定国での登録の効果が商標権
 の発生であれば、国際登録日から商標権による保護
 を受けられます。

■ 「拒絶の通報」に対して意見書や補正書で応答・
 反論する場合には、多くの場合、現地代理人を通
 じて行う必要があり、現地代理人費用がかかりま
 す。

  「拒絶の通報」に対して意見書や補正書で応答・
 反論しないと、その外国では商標の保護が受けら
 れないことになります(「拒絶査定」となります)。

<商標権の存続期間(商標権が有効な期間)>
 国際登録日から10年間です。
 この期間は、商標が複数の国で保護されている場合
でも一括して、かつ何度でも更新することができます。

 なお、商標権は保護を希望した国ごとに発生します。

<特徴的な制度>
●セントラルアタック
 日本の出願が拒絶され、又は日本の商標登録が国際
登録の日から5年以内に消滅した場合は、国際登録が
取り消され、保護を希望した外国での保護も受けられ
なくなります。

 この場合は、各国ごとの出願に切り替えることがで
きますが、新たに現地代理人費用が必要となります。

 なお、日本の商標登録が消滅してしまっても、それ
が国際登録の日から5年を過ぎてからであれば、保護
を希望した外国での保護はなくなりません。

●事後指定
 国際登録出願が国際登録された後でも保護を希望す
る国を追加することがでます。

 保護を希望する国の追加は、国際登録出願をした際
には商標の使用を予定していなかった国や新規にマド
リッドプロトコルに加盟した国で商標権が必要になっ
た場合に有効です。

<国際登録出願をする場合の注意点とアドバイス>
 国際登録出願をする場合は、以下に挙げるメリッ
ト・デメリットを十分に考慮して行うことをおすすめ
します。

 特に、上記で説明した「セントラルアタック」のリ
スクには注意しなければなりません。

 日本での商標登録出願を利用して国際登録出願をす
る場合には、日本の商標登録出願が拒絶されてしまう
ことがあります。
 そこで、審査動向をうかがいながら、優先権を主張
できる、日本の商標登録出願の日から6ヶ月近くは国
際登録出願をするのを待ち、できれば日本の商標登録
出願について「登録査定」(商標登録を認める旨の審査
官の判断)がされてから、国際登録出願をするのが賢
明です。


 費用の節減
  出願人が保護を希望した外国から「拒絶の通報」
 を受けなければ、現地代理人を通す必要がないので、
 各国ごとに直接出願する場合よりも費用が安くなり
 ます。
 手続の簡素化
  日本の特許庁への一度の手続(一通の願書)で、
 保護を希望する外国へ同時に出願することができま
 す。
  また、どの外国を希望する場合でも、英語で出願
 できます。
  そのため、当所費用(日本の特許事務所の費用)
 が、複数の外国へ直接出願した場合に比べて安価に
 なります。
 審査が迅速
  出願人が保護を希望した外国の官庁は、保護を認
 めない場合は「拒絶の通報」をしますが、国際事務
 局からの通報があってから最大18ヶ月以内にしな
 ければならないルールになっています。
 したがって、商標権を取得できるか否かが早期に
 わかります。
 権利管理の簡便化(一元管理)
  商標登録後の商標権の更新や名義変更等の手続を
 日本の特許庁でまとめてできます。


 セントラルアタック
  日本の出願が拒絶され、又は日本の商標登録が国
 際登録の日から5年以内に消滅した場合は、国際登
 録が取り消され、保護を希望した外国での保護も受
 けられなくなります。

  この場合は、各国ごとの出願に切り替えることが
 できますが、新たに現地代理人費用が必要となりま
 す。

 制約条件
  日本の出願又は商標登録と「同じ」商標でなけれ
 ば国際登録出願はできません。

  また、国際登録出願の指定商品/役務は、日本の指
 定商品/役務と「同じ」か「狭い」範囲でな
 ければなりません。

マドリッドプロトコルの加盟国(2011年5月現在:84カ国)
<アジア>
日本 韓国 シンガポール 中国(香港・マカオ未適用) ブータン ベトナム モンゴル 北朝鮮(※日本は北朝鮮を国として認めていない)

<欧州>
欧州共同体 アイスランド アイルランド アゼルバイジャン アルバニア アルメニア イギリス(マン島適用) イタリア ウクライナ ウズベキスタン エストニア オーストリア オランダ カザフスタン キプロス キルギス ギリシャ クロアチア グルジア サンマリノ スイス スウェーデン スペイン スロバキア スロベニア セルビア(セルビア・モンテネグロを継承) タジキスタン チェコ デンマーク(フェロー諸島未適用) トルクメニスタン ドイツ ノルウェー ハンガリー フィンランド フランス ブルガリア ベラルーシ ベルギー ボスニア・ヘルツェゴビナ ポーランド ポルトガル マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 モナコ モルドバ モンテネグロ ラトビア リトアニア リヒテンシュタイン ルクセンブルク ルーマニア ロシア

<北米>
米国

<オセアニア>
オーストラリア

<その他>
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