国際登録(マドリットプロトコル)出願の概要

2020.03.09
弁理士・米国弁護士 龍華 明裕

1.出願手続

(1)日本特許庁への一度の手続で、多数の国への出願が完了します。

(2)指定国官庁での審査
指定国官庁が18ヶ月以内に拒絶を通知しない限り、国際登録日から指定国で保護を受けられます。要件を満たしていない場合は拒絶通報が送付されます。これに応答する意見書・補正書は各国の代理人に依頼して提出する必要があるので、弊所費用の他に現地代理人費用が発生します。

(3)更新と名義変更
これらの手続もまとめて日本特許庁で行うことができます。従って、指定国では更新または名義変更の手続きを行いません。

(4)指定国
マドリッドプロトコルの加盟国を指定することができます。先進国および出願の多い殆どの国を指定できますが、台湾、香港、マカオ、アルゼンチンなどは、国際出願で指定することができません。

 
2.国際登録出願の庁費用

○日本特許庁   9、000円
○国際事務局
  基本手数料  653スイスフラン(ただし色彩のある場合は903スイスフラン)
  付加手数料  100スイスフラン/指定国(但し料金が異なる指定国もあります)
  追加手数料  100スイスフラン/区分(4区分目から)
○弊所の費用が別途かかります。

 
3.国際登録出願のメリット
(1)3か国以上に出願する場合、出願コストを削減することができます。
(2)1つの登録番号で管理されるので、世界の権利管理が容易です。
(3)国際出願時に指定しなかった国を、国際登録後に追加することができます。

  
4.国際登録出願のデメリット
(1)基礎出願又は基礎登録が必要
国際出願の基礎となる出願または商標登録が必要です。従って外国一カ国のみに出願したい場合は国際登録出願をすることができません。

(2)基礎出願又は基礎登録との同一性
商標は基礎出願又は基礎登録と同一でなければならず、この同一性は厳格に要求されます。指定商品又は役務の範囲も基礎出願又は基礎登録で指定している範囲内でなければなりません。

(3)セントラルアタック
基礎となった出願または商標登録が国際登録日から5年以内に消滅した場合は、国際登録が取消されます。

(4)米国のみの指定
米国では高い確率で拒絶理由通知が出されます。

(5)中国の問題
国際商標登録後に類似商標が誤登録されることがあります。これを防ぐためには、中国に直接出願をするか、類似商標が登録されるのを監視し誤登録に対して異議を申し立てる必要があります。

以上