日米における意匠のバリエーションの出願方法

2021.08.31
弁理士・米国弁護士 龍華 明裕

意匠権保護の課題
 ①権利の幅が狭く、多少変更が加えられるだけで権利が回避される。
 ②出願人が使用する意匠も変更される場合が多い。
 ③バリエーションを予め個々に出願すると出願費用が大きい。
 ④特に意匠決定前に多くの意匠が考案されるが、全てを出願すると費用が大きい。

対応策
(1) 日本
①権利化を急ぐ場合
 類似する意匠を関連意匠としてデザインが固まり次第出願する。
 バリエーションが複数決まっていれば、複数意匠一括出願を利用する。
  
②権利化を送らせたい場合
 類似する意匠を関連意匠として、本意匠の出願日から10年経過する日前に出願する。

(2) 米国
 日本の意匠または特許の出願から半年以内に、優先権を主張して意匠出願する。
 意匠のバリエーションを「意匠の実施形態(実施例)」として、一出願で出願する。

 これにより、各意匠をそれぞれ出願するのと比較して費用が抑えらます。
実施形態のバリエーションの幅が広すぎると判断された(限定要求を受けた)場合は、実施形態を一部削除し、登録査定(Allowance)を受けた後に、削除済の意匠を分割出願できます(出願の約2年後)。これにより登録を急ぐ意匠から、順次登録することができます。

以上