米国Final Office Action (Final OA) 後の応答手続

2021.10.21



弁理士・米国弁護士 龍華 明裕

1.補正をする場合
(1)軽微な補正 (Amendment)
 審査官が要求した補正や軽微な補正は、AFCP2.0またはRCEを請求せずに行うことができます。なお補正時期によりその後の期限が下記の様に変わります。

(2)AFCP (After Final Consideration Pilot) 2.0   (庁費用:なし)
 請求項を補正した場合に請求できます。審査または調査に3時間以上かかると判断されると補正が認められずにAdvisory Actionが発行されるので、それに対してはRCEを提出する必要があります。しかし弊所からの米国直接出願ではAFCP2.0を経由する追加コストは殆どないので、補正をする場合には、常にAFCP2.0を請求することをお勧めします。AFCP2.0を請求すると審査官から面談が求められる場合が多く、これにより補正の方針を確認できるので権利化コストと時間が削減されます。弊所では、請求の5割以上でAFCP2.0が認められ、その約半分が面談を経て特許されています。

(3)RCE(継続審査請求)   (庁費用:US$1,360、2回目以降:US$2,000)
 AFCPが認められないことが明らかな補正(発明の主題が大きく変わる補正)をする場合で、権利化を急ぐ場合に適しています。

2.補正をしない場合
 日本とは異なり、審判請求時や審判請求後には補正をできません。このため日本の様に、許可されるクレームを審判官との面談で探ることもできません。

(1)審判請求(Appeal)+Pre-Appeal Brief Request for Review (庁費用:US$ 840)
 審査官を含め3人が検討します。審査官の法の適用に誤りがある場合や、拒絶理由がクレームの主要な構成に言及していないなど、手続的に明らかな誤りがある場合に有効です。
(2)審判請求(Appeal) + 審判理由書(Appeal Brief)の提出 (庁費用:US$ 3,200)
(3)審査官との面談、再考願い (Request for Reconsideration) (庁費用:なし)
 庁費用がかかりませんが、この手続のみで出願が許可される可能性は低いです。面談時に特許性がありそうな特徴を示唆する審査官もいますが、その特徴を含める補正を行うためにはRCEが必要です。

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