米国IDS:A文献も提出する必要性

2020.01.23
弁理士・米国弁護士 龍華 明裕

問題点
 調査報告におけるA文献は特許性に影響を与えない場合が多く、その場合はIDS提出する必要がありません。しかし明細書に記載された特徴で請求項を減縮すると、同じ文献がX,Y文献として再度引用される場合があります。すると当該文献を提出できない場合があります。また手続きに誤りが生じてフロードとなる恐れがあります。

米国特許法施行規則 ( 37CFR )
 IDSには以下の書類または費用を添える必要があります(CFR1.97(b)(c)(d))
 (1)ファイナルオフィスアクションまたは許可通知発行前
    提出文献が「first cited」であるとのステートメント、は庁費用
 (2)許可通知発行後、登録料納付前
    上記ステートメント、及び庁費用

A文献をIDS提出しないリスク
 文献が後に再度X,Y文献として引用されたときには「first cited」でないので、
 (1)の時期では、庁費用納付が必要となり、
 (2)の時期では、RCEしない限り提出できません。

 同文献を誤って「first cited」と宣言して提出するとフロード(fraud、審査官に対する詐欺)と判断され、高い確率で権利行使できなくなります。このためA文献を提出しない場合は、他の文献を提出する毎に、その文献が既にA文献としていずれかの国でciteされていたか調べる必要があります。貴社と取引のある他の日本事務所様でも、そのような確認をしているか確認することをお勧め致します。

 以上のリスクは、A文献を予めIDS提出することで避けられます。このリスクは、権利行使の可能性が高い場合ほど重要です。弊所のIDS提出費用は他所様に比べ安価なので、権利行使の可能性が多少なりともあればA文献もIDS提出しておくことをご提案致します。

 ご不明な点がございましたら、どうぞご連絡ください。                  以上