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価値の高い特許を取得する

従来の出願方法の問題点。
待っているだけでは、
価値の高い発明は生まれてこないという現実。

発明者が発明を生み、提案書として提出するのをただ黙って待っていても、高い価値の発明が生み出される可能性は限られています。これでは、良く完成された実施間近な発明しか出願をすることができません。

発明者の頭の中には、事業展開の鍵となる、さまざまなイメージがつまっています。しかし、発明者はイメージをうまく表面化できないために、利益につながる多くのアイディアを、頭の中で眠らせてしまいます。

より未来の基本的な発明を権利化に導くには、ただ待っているのではなく、積極的に働きかける必要があります。

発明者が発明を生み出しにくい、本当の理由。

発明者が発明をするうえで非常に不安に思っていることは、「自分がやっている発明が、はたして意味があるのだろうか?」ということです。
目の前の発明に特許性があるのか、特許としてどの位の価値があるのかが分からないと、検討を深めることができず、また、提案書を書くことにも意欲を持てないため、発明は埋もれていきます。

特許の生産性を上げるためには、こうした発明者の不安を取り除く必要があります。

価値の高い特許を生み出すためには、
どのようなプロセスが必要なのか?

「特許ビジュアライゼーション」では、発明者に多様な質問を投げかけ、製品イメージと課題を具体化することで、発明者と共に発明を創出します。
また、真に強い権利を取得するために、各技術分野の市場の動向及び競合会社の出願状況を踏まえ、権利化された技術の迂回を防ぐ方法や、技術を使用した場合の課題について発明者とディスカッションを行い、発明自体の強化を図ります。

これにより、眠っている発明を特許性のある方向へ導き、発明者の発明能力を向上させると共に、新規事業の創出につながる、価値の高い権利を取得します。

価値の高い特許を生み出すためには、どのようなプロセスが必要なのか?

特許ビジュアライゼーションの業務の流れ。

  • テーマ設定

    将来的にマーケットが広がる分野を見定め、戦略的に、特許権を固めるべきテーマを選択します。

  • リサーチ

    選択した戦略的テーマを中心に、発明を生み出すための事前リサーチを行い、結果を発明者に紹介します。

  • ブレインストーミング

    ブレインストーミングを重ね、将来に重要となる事業分野に、戦略的な特許のポートフォーリオを構築します。

  • 出願

特許ビジュアライゼーション

出願件数が伸びる前に創られた発明が
大きな価値を生む

<価値の高い特許として有名な過去の事例>
~アルゼのスロットマシン特許~

84億円の損害賠償が認められた(控訴中)アルゼ社のスロットマシン特許の出願時期と、スロットマシンに関する出願件数の変化を、下図は示しています。出願件数が伸び始める直前にアルゼ社の特許が出願されていたことがわかります。※1

<特許ビジュアライゼーションのプロセス>

価値の大きい発明は、出願件数がまだ伸びていない技術分野で作られます。このような発明は目の前の製品から離れているので、提案書を待つ従来の活動からはなかなか生まれません。しかし適切なナレッジマネジメントを行うことにより、組織的・継続的に創出することができます。新たな商品のコンセプトを特許化を通じて創出することにより、新たな商品のビジョンが作られ新規事業のオプションが広がります。

1.コンセプト特許の対象

製品開発は、①製品コンセプトの立案、②設計・試作の順に行われます。従来の日本の多くの特許が②を対象とするのに対して、コンセプト特許は①を対象とします。発明というと、技術者は②の技術特許を意識し、製品のコンセプトを出願できることに気付かない場合が多いので注意が必要です。

1.製品コンセプト(外部仕様) ・・・ 少数の「コンセプト特許」
2.内部設計 ・・・ 多数の「技術特許」

内部設計時に創られる技術特許は技術革新により回避されやすいので、これを防ぐために多数の出願が必要です。これに対してコンセプト特許は、製品のコンセプト(外部仕様)が同じであれば、どのような技術を用いて実現した製品も権利範囲に含みます。技術特許と比較して権利が広く、かつ長命です。

2.コンセプト特許創出の手続

製品コンセプトには、1.既に会社に提案された発明※2と、2.一案としてまとまっているが提案をされていない「個人の知識」と、3.まとまっていない暗黙知の状態とがあります。コンセプト特許は、暗黙知を発掘し、個人の知識を積極的にヒアリングし、共有化された発明を展開する、ブレインストーミングによって創出されます。RYUKAはこれらの各手続をいくつかの手法にパターン化しており、IT関連の殆どの分野で、暗黙知を効果的に出願に展開することができます。

3.ブレインストーミングのメンバー※3

ブレインストーミングには、豊富な技術知識と、特許調査結果の把握、特許性の判断などの特許関連の知識が必要です。

特許出願
↑(展開・文書化)クレームの展開能力、クレーム価値の判断力
①共有化された知識発明の置き換え能力、特許性の判断力
↑(ヒアリング)発明の理解・整理能力
②個人知のコンセプト要素技術の知識
↑(発 掘)技術的質問のための仮説立案能力
③暗黙知のコンセプト従来技術の知識

ブレインストーミングには、暗黙知の幅を広げるために、異なる分野から発明の得意なキーパーソンが参加する必要があります。RYUKAからは、特許コンサルタントが参加します。特許コンサルタントは、特許性と特許の権利価値を判断しながらブレインストーミング※4のテーマを方向付けます。メンバーは一つのコミュニティを形成し、数カ月毎に会ってブレインストーミングを行います。

4.テーマの選定

一例として、社内の画像処理技術を他の製品に展開する場合には、画像処理技術を有し特許戦略に秀でた会社を調査して新規テーマの候補をご提案します。これらをご参考にクライアントのマネージャまたはコミュニティが選択したテーマからブレインストーミングを始めます。コンセプト特許は権利範囲が広い分、権利を得にくいので、予め特許調査を行い特許コンサルタントが従来技術をおおまかに把握した上でブレインストーミングを進めます。
開始時には、まず他社の新規テーマ関連の特許出願を紹介します。これをきっかけてとしてブレインストーミングを始めます。ブレインストーミングの自由さを制限しないように、テーマは幅広く設定しある程度シフトを許容します。ブレインストーミング中に、まったく新たなテーマが見つかる場合も多々あります。この場合は、次回のブレインストーミングの候補テーマに加えます。

5.出願

ブレインストーミング後に、再度先行技術を調べた上で出願を行います。大切な発明は早く出願する必要があるので、ブレインストーミングから調査、出願までを一括してRYUKAで行うことをお勧めします。
ブレインストーミングと特許明細書の作成により、暗黙知であったコンセプトが具体化されて全メンバーに共有されます。その後、次回のブレインストーミングを意識することにより、メンバーの間に新たな暗黙知が形成されます。ブレインストーミングから出願までを繰り返すことにより、新規事業のビジョンが具体化されます。
出願した内容をコミュニティから経営陣に報告することにより、新規事業のオプションを経営陣にご提案します。経営陣からのフィードバックを基に、更に検討すべき分野を選び次回のブレインストーミングのテーマとします。

おわりに

アルゼ判決では、商品のコストを狭く限定することにより利益を大きく計算し賠償金額を高めています。賠償金額はおそらく被告が得ていた利益より大きいでしょう。これは、新規技術の創作を促進して産業を強化するという社会の要請に沿うものであり、特許権の財産価値は益々高まっていくと考えられます。

※1 キーワード「スロットマシン」で検索
※2 ナレッジマネジメントの形式知に相当します。
※3 メンバーの意識を高めるためには、
1.チーム(コミュニティ)を形成し、
2.チームの目標(会社の未来を担う新規事業を創る)を明確にし、
3.チームメンバーが定期的に会ってブレインストーミングを行い、
4.イントラネットなどにより、チームの活動や成果をチーム以外のメンバーに広く紹介する必要があります。更に
5.報酬を明確にすることが理想的です。
RYUKAは、1チーム意識の形成、2目標意識の高揚、3ブレインストーミングのマネジメント、4チームの活動レポートの作成、および5コンセプト特許に於ける発明評価ガイドラインの作成を行います。
※4 ブレインストーミングでは、ディスカッションを活性化しながら適切に方向付けるリーダーシップが大切です。メンバー構成によって適切であれば、RYUKAがブレインストーミングの進行役を務めます。

成功事例(燃料電池)

日本総研主催の企業連合形コンソーシアムに参加。

2003年6月、日本総合研究所の主催によって、分散型エネルギーについての企業共同研究会 「DESSコンソーシアム」が立ち上がりました。DESSは「「Decentralized Energy System & Software(分散型エネルギーシステム&ソフト)」の略。分散型エネルギーの中でも、中心的に検討されたのが燃料電池です。

燃料電池は酸素と水素から電気とお湯を作るため、大幅な省エネが期待でき、環境面で非常に優れている発電装置です。このコンソーシアムには30社以上の大企業が参加しました。RYUKAはプロジェクトの一員として、他企業への募集、プレゼンテーションの段階から参加をさせていただきました。
コンソーシアムが立ち上がったときには、燃料電池はまだまだ商品として出来上がっていないため、「利益を生み出す」というモデルではなく、「研究開発を共同で行う」というプロジェクトとして動き出しました。

燃料電池の共同開発・特許化への挑戦。

コンソーシアムの研究活動は徐々に認められ、2005年には、環境省より年間8,700万円の公的資金が出されました。その公的資金を元に、実際に燃料電池を使用した複数住宅での研究がスタート。特許の成果を実プロジェクトに適用する取組みが動き出しました。
また、コンソーシアムの成果をもとに、2006年8月には「合同会社Web Power Service」を設立。事業化に向けて、更なる技術開発とビジネスモデルの普及に努めています。
事業化を進めるうえで、新たな課題を特許に反映していくことができれば、技術も事業も今後どんどん成長していくでしょう。こうして生み出された燃料電池の新たなビジネスは、今後環境面においても、経済面においても、大きな可能性を秘めています。

【合同会社Web Power Service】

設 立 : 2006年8月
資本金 : 80万円
出資者 : 静岡ガス株式会社
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
株式会社タイセイ総合研究所
松村物産株式会社
丸紅株式会社
三井住友建設株式会社
株式会社明電舎
株式会社日本総合研究所

2003年6月8日 日本総研が企業連合結成 / 家庭用燃料電池ネットワーク化
http://www.jri.co.jp/company/publicity/2003/detail/0432/

2005年2月7日
シーズをつかめ シンクタンクが提案する再生への処方せん
住宅用分散型電源の本命、燃料電池 普及のカギはネットワーク
http://www.jri.co.jp/company/publicity/2005/detail/0204/

(お客様のご厚意により、ご紹介の許可を頂きました。)

ビジュアライゼーションの原点

特許を生み出すうえで、多くの発明者が抱えていた重要な問題。

キヤノンで開発者として勤務していた時、「特許生産会議」というものが頻繁に行われていました。5~10人くらいの発明者が集まり、1人5件程度の特許を生産します。この特許生産会議は、他の発明者と情報交換ができ、有意義で面白いものでしたが、一方で進めにくい点がいくつかありました。

ひとつは、従来技術に対する知識を持っている人がいなかったこと。他の会社がどこまで出願しているか分からず、どの程度深い検討をすべきかが見えてこなかった。
もうひとつは、発明に対して、どの程度の改良をすれば特許になるかが分からなかったこと。いくらでもバリエーションは考えられるのに、特許という観点からは、バリエーションを考えること自体意味があるのか判断がつかなかった。
その時に、特許を作り出すには、特許のプロが必要だと強く感じました。

発明者をサポートしたいと感じた。それが始まりだった。

特許のプロが従来技術の情報を持ち、会議の内容が特許になりそうな方向へ向かっているかを確認し、引っ張っていくことができれば、発明生産会議における特許の生産性はぐっと上がる。頭の中に、新しい技術や多くのアイディアを持っている発明者は沢山いるのに、充分なサポートがされていない。サポートするべきであり、必要とされているサービスだと考えたのが、ビジュアライゼーションの原点でした。

特許事務所を立ち上げた当初は、出願業務の一環として、発明者の頭の中に眠る発明やイメージを聞きだし、特許になるかどうかを検討し、出願するということを繰り返しました。
このサービスは、頭の中でもやもやしていたイメージが明確になり、権利化することができるため、発明者に非常に好評でした。次第に、特許部や知財部からではなく、直接発明者から声をかけていただくことが増えていきました。

ビジュアライゼーションの根幹は、聞き出す能力。

その後ノウハウや経験を蓄積し、現在は「特許ビジュアライゼーション」という独自のサービスとして、クライアントに提供をさせていただいています。
発明者からいかに聞き出すことができるか。ビジュアライゼーションでは、そのスキルが非常に重要です。
そのため、RYUKAではチームでの協力体制やディスカッション形式の指導を取り入れ、技術力だけでなく、コミュニケーション能力の育成に力を入れています。

特許ビジュアライゼーションセミナー

RYUKAはクライアントの事業を効果的に守るべく、クライアントの会社内で、随時セミナーを行っています。
テーマは、発明の発掘方法、特許戦略分野の選定、特許未経験者の為の特許制度概要、米国特許訴訟に備える為の準備等多岐にわたっています。

特許ビジュアライゼーションとは何か

本セミナーでは、実際の成功事例を交えながら、特許ビジュアライゼーションの手法と新事業を展開するためのアプローチ方法についてわかりやすくご説明致します。

セミナーの目次:

  1. 1. 特許ビジュアライゼーションとは?
  2. 2. 暗黙知から特許を創作する
  3. 3. 思考の分類方法
  4. 4. 成功事例
  5. 5. 発明の展開方法
  6. 6. テーマの選定
  7. 7. キーマンの選出
  8. 8. 簡易評価

講演予定:

開催が決定次第お知らせ致します

公機関での過去の講演:

  • 株式会社 技術情報センターセミナー部主催
    日時:2008年1月24日(木)
    講演:[特許ビジュアライゼーション] ~その進め方から実際の成功例までを具体的に解説する!!~
  • 技術情報協会主催
    日時:2007年6月28日(木)
    講演:[利益を生む特許取得戦略]
  • 東京大学 田中・鈴木研究室OB会
    日時:2003年2月22日(土)東京大学本郷キャンパス
    講演:「日本の産業再生に向けた技術者と特許の役割」
  • 東北大学流体科学研究所様
    日時:2002年7月9日(火)
    当講演は、東北経済産業局主催平成14年度工業所有権セミナーの一環として開催
  • 「ビジネスショウ2002」in東京ビックサイト
    日時:2002年5月22日(水)

◆セミナーをご希望の方は、コンタクトフォームからお申し込み下さい◆

戦略セミナー

製品開発と特許権

日時:2001年12月18日