【初学者向けシリーズ】商標法25条 (商標権の効力) 及び26条 (商標権の効力が及ばない範囲) 解説動画

2024.02.09

商標法25条は、「商標権者は、指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を専有する」旨規定しています。
つまり、商標権者は、登録商標と同一の商標を指定商品等の同一の商品等に使用することについて独占排他権(専用権)を有するということです。
ちなみに、商標権者は、類似範囲の使用(商37条1号)については、排他的効力しか有しません。これを禁止権と言います。
今回は、時間の都合上、専用権(商25条)に特化して説明しています。
次に、商標法26条は、「商標権の効力が及ばない範囲」について規定しています。
具体的には、商標権の侵害とならないケースについて、同条1項1号~6号、及び3項1号~3号に規定しています。
この26条は、①普通名称等が過誤登録された場合に第三者の使用を確保し(特に、無効審判(商46条)請求の除斥期間(商47条)経過後に実益あり)、
②過誤登録ではない登録商標(例:「アスカレーター」)に類似する普通名称(例:「エスカレーター」)の第三者による使用を確保すると共に、
③登録商標が普通名称化した場合(オーチス・エレベーター社(米国企業)の登録商標「Escalator」も普通名称化したと言われている。)に第三者の使用を確保することを目的として規定されたものです。

【板書】:商標法25条及び26条

【引用出典1】:福岡地判S46.9.17「巨峰(第一)事件」
(商標的使用態様でないとして非侵害と判断(現在なら、商26条1号6号を適用すべき事案))
 昭和44(ヨ)41 商標権 民事仮処分
 昭和46年9月17日 福岡地方裁判所

【引用出典2】:大阪地判H14.12.12「巨峰(第二)事件」
(商26条1項2号で非侵害と判断)
 平成13(ワ)9153 商標権 民事訴訟
 平成14年12月12日 大阪地方裁判所

【引用出典3】:知財高判H27.8.27「ピタバ(第一)事件」
(商26条1項6号・2号で非侵害と判断)
 平成26(ネ)10098 商標権侵害差止請求控訴事件 商標権 民事訴訟
 平成27年7月16日 知的財産高等裁判所 東京地方裁判所

【引用出典4】:知財高判H27.8.27「ピタバ(第二)事件」
(商26条1項6号・2号で非侵害と判断)
 平成26(ネ)10129 商標権侵害差止請求控訴事件 商標権 民事訴訟
 平成27年8月27日 知的財産高等裁判所 東京地方裁判所


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