中国における直接出願/マドプロ出願の メリット・デメリット

2020.09.16
弁理士・米国弁護士 龍華 明裕

1、直接出願
メリット
中国の審査基準に沿った形で指定商品又は役務の表示を整え出願します。そのためOffice Action(拒絶理由通知)を受ける可能性を低くすることができます。また、登録証が発行されます。登録証は中国で事業展開する際に必要となる場合があります。

デメリット
出願時から現地代理人費用がかかります。一出願多区分制ではありますが、制度上の不備があるため、弊所では単区分出願を推奨しております。そのため、区分数が増える毎に費用がかさみます。中国の審査基準は頻繁に改定されるので、上記メリットに挙げたOffice Actionを受ける可能性をゼロにする(全くOffice Actionを受けない)ことは困難です。

2、マドプロ出願
メリット
指定商品又は役務の表示を英語で記載します。そのため、指定商品又は役務の表示を厳しく審査しないので、そのまま登録になる場合があります。

デメリット
指定商品又は役務の表示を厳しく審査しないことで、指定範囲が曖昧になり、非類似と思われる指定商品又は役務を有する商標が引用され、拒絶される場合があります。したがって、Office Actionを受ける可能性が高まります。また、商標が登録になった後、登録商標と同一・類似の商標が中国に出願されても、登録商標が先行商標として引用されない場合もあります。その場合、異議申立や無効審判等で引用商標を取消し・無効にする必要がありますが、その分膨大な費用がかかります。また、登録証は発行されません。

以上