特許明細書書式の新規則

1996.11.08

著者:  パートナー  G. Lloyd Knight
訳者:  弁理士  龍華 明裕(Ryuka)

 特許商標庁は、幾つかの特許法規則を変更し1996年9月23日に施行した。これらは主に特許明細書等の書式に関する。

1. 詳細な説明、クレーム、要約および宣誓書は十分な明瞭性および用紙とのコントラストを有し、デジタル画像化および光学的文字認識により特許商標庁で電子的に複製出来なくてはならない。少なくともファクシミリ出願の中には特許商標庁の明瞭性/コントラスト審査を通らないものがあるだろうが、出願日は確保される。但し特許商標庁は、この審査に合致する代替書類の提出を要求するだろう。規則1.52(a)

2. 用紙サイズはA4または8.5 × 11インチでなくてはならない。規則1.52(b)

3. 用紙サイズに係わらず、余白は上下右2.0 cm以上、左2.5 cm以上でなくてはならない。規則1.52(b)

4. テキストは、行間1.5または2(ダブルスペース)とし、テキストの上部または下部の中央に(特許商標庁は下部が好ましいとしている。)、1から始まりクレームおよび要約書まで通されたページ番号が付されていなくてはならない。規則1.52(b)       
要約書は、クレームの次の新しいページから始めなくてはならない。規則1.72(b)

上記2から4の要件が満たされなかった場合のペナルティを特許商標庁は述べていないが、恐らく上記要求に合致する書類の提出を要求するだろう。

5. 絶対的な要求ではないが、規則1.77(b)は全てのセクションのヘッディング、例えばBACKGROUND OF THE INVENTIONは、全て大文字で、下線を付さず、また太字でないべきである(should)としている。

6. やはり絶対的要求ではないが、規則1.75(i)は、クレームの各要素またはステップは、タブ(ラインインデント)を有する新しいパラグラフから始まるべき(should)としている。特許商標庁はまた、規則の一部とはしていないものの、「明細書中の各パラグラフの頭にはタブが挿入されることが望ましい」としている。(61FR42797)

7. 化学および数学の式並びに表は上記2から4の要求に合致しなくてはならない。しかし、縦長に用紙を使用することが不便であれば、式および表は横長に記載することができる(規則1.58(c))。横長に用いる場合には、式または表の右側を用紙の上端として、余白を挿入しなくてはならない。

8. 国際出願における第102条(e)の日、即ち国際出願が国内段階に移行された日の認定要件が緩和された。もはや宣誓書は完全でなくても良い。標準的な宣誓書の書式が用いられ、その宣誓書に各発明者の名前および国籍が正しく述べられている限り、ある程度の誤りまたは情報の欠如は許容される。但し、後に完全で正確な宣誓書も要求されるだろう。規則1.497

 これらは、特許商標庁により規則の中に加えられた変更の一部分です。御質問または規則の変更についての完全なコピーをご希望の方はご連絡下さい。

その他、日本の審査基準はソフトウエアのプログラムリストを原則として付録として提出することとしているが、米国規則は「プログラムリストが10ページ以下の場合には、プログラムリストは詳細な説明中の最後(クレームの直前)または図面に記載しなくてはならない(規則1.96(b))。」としているので、この点も注意を要する*。

(* 訳者注)