吉國 由希久
Yukihisa Yoshikuni

資格・役職

博士(農学)

取り扱い分野

特許
化学・材料/バイオテクノロジー

略歴

東京大学 理学部 化学科 卒業
東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 修士課程 修了
東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 博士課程 修了

研究内容
(1)東京大学理学部では、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)を用いた金属ナノ粒子解析の研究に従事しました。特に、溶液中のナノ粒子半径を網羅的に計算するソフトウェアの作成に携わりました。
(2)東京大学大学院農学生命科学研究科では、主に歯石の形成機構についての研究に従事しました。研究テーマを探していた際、身近な結石である歯石の形成機構が未だ不明なことを知り、興味を持ちました。歯石形成は主に細菌の石灰化に起因しますが、その石灰化を試験管内で再現することは困難でした。そこで試験管内における細菌石灰化の再現に取り組みました。唾液に含まれる有機高分子が細菌石灰化を誘導すると仮説を立て、検証しました。その結果、リン酸基に富むタンパク質(リンタンパク質)の添加により、細菌の石灰化が試験管内で再現されました[1]。この結果は、唾液リンタンパク質の一群が歯石形成を阻害するという従来の考えと対照的でした。また、この石灰化は菌種に依存しない一方で、死滅した細菌においてのみ生じることが偶然明らかになりました。これらの結果から、唾液リンタンパク質の一群は歯面で死を迎えた細菌の石灰化を誘導すると考えられました。これが歯石の主要な形成機構であると結論付け、新説として提唱しました。

[1] Y. Yoshikuni et al., “Effect of phosphoproteins on intracellular calcification of bacteria.” European journal of oral sciences vol. 131,3 (2023): e12929.

《ひとこと》
回避困難な特許の取得に努めて参ります。