令和二年改正「複数意匠一括出願」

2020.10.09

 皆様こんにちは。RYUKA国際特許事務所の和田でございます。

 本日は、来年4月に改正が予定される意匠法「複数意匠一括出願」についてお伝えします。今年弁理士試験を受験され、合格される皆様にとって、「今は」関係ありませんが(合格後は関係あります)、意匠法ならではの法律が今回改正されるインパクトは大きいと思います。感想文レベルの内容かもしれませんが、お付き合いください。

 参考にさせていただいたのは、特許庁の「令和元年意匠法改正特設サイト」です。

今年の4月に施行された法改正も大規模でしたので、まとめていただいて非常に助かります。特に「令和元年意匠法改正の概要」のテキストは、シンプルで非常に分かり易かったです。

 1.改正の趣旨について
 「一意匠一出願」(意匠法第7条)を改正する趣旨として、ハーグ協定での国際出願では、一つの出願に複数の意匠を含めることができる(意匠法60条の6)こととの整合を図るのかと思っておりました。しかし、もう一つ、出願手続の軽減のためでもありますね。
 改正の経緯の説明を読み、私は関連意匠制度を連想しました。「デザインコンセプト」という言葉がテキストにあったためです。「え、何で関連意匠?」と思った受験生の皆様、復習しておきましょう。
 関連意匠制度は、今年施行された改正の前から、本意匠と異なる日の関連意匠の意匠登録出願を認めています。一方、今回の改正で複数の意匠を一括で出願することが認められますが、出願は一つです。したがって、一括出願の時点で複数の意匠を用意する必要があります。

 2.意匠権の効力について
 一括出願の対象となる複数の意匠ですが、意匠登録後、一意匠ごとに一つの意匠権が発生します。つまり個別に実施のライセンス契約や、権利行使が可能です。
 これと異なるのが組物の意匠(意匠法第8条)ですね。組物の意匠は、組物全体で実施する権利を占有しますが、組物の構成物品ごとに意匠権は発生しません。複数の意匠をどう活用していきたいのか、改正後の一括出願制度と組物意匠制度は、使い分けが非常に重要になると思います。

 どのような場合に、どの意匠制度を活用するのか、的確な提案をしていくことが、私達弁理士の務めと考えています。意匠制度の活用、意匠権の取得について、弊所ホームページの業務案内より、「意匠出願」のページをご覧ください。今年4月に改正が施行された「関連意匠の関連意匠」についても、ご提案しております。

 次回は10月16日(金)に投稿予定です。10月13日(火)には今年の短答試験の合格発表があります。そこから分かった情報について投稿したいと思います。

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