短答合格発表、そして近年の論文本試験の傾向

2020.10.16

 皆様こんにちは。RYUKA国際特許事務所の和田でございます。
 10月13日(火)、弁理士の短答式筆記試験の合格発表がありました。合格された411名の皆様、おめでとうございます。第1回の投稿でも申しましたが、今年の試験、日程の延期があったにも関わらず、スケジュール等調整して見事結果を出された皆様、本当に素晴らしいと思います。

 合格者数、合格点
 今回、合格発表の頃には毎年出ている受験者数等の統計も出るだろうと思っておりましたが、現時点で発表されていないようです。短答試験は年によって合格者数、合格率が変わってきますので、参考にしたかったのですが…
 分母が分からないので、分子である合格者数だけで見ます。411名という数、そこまで驚きはしませんでした。試験の問題も、第4回で挙げたような難問はあるものの、全体で難しすぎることはないと思いました。日程が大きく変わったとは言え、難易度は過去の試験と同じくらいかな、と思います。
 合格点も例年通りでした。毎年試験後「今年は基準点が上がるのでは!?」という話を耳にしますが、ここ数年上がることはありませんでした。とは言え受験する方には合格点ぎりぎりでなく、ある程度余裕を持った点数で受かっていただきたいものです。その方が安心して論文対策ができますし、その後の論文・口述試験にもその実力は活きてくると思います。

 論文必須試験
 短答試験に合格された方で、まだ今年の論文必須試験の対策をされていない方はいないと思いますが、本試験まであと3週間です。私は論文必須試験に2回落ちた後、最後の免除の年に合格しましたが、論文対策を通じて痛感したのが、科目によって出題のスタイルがかなり違っている、ということです。各科目に対する私の印象は、以下の通りです。
 特許法・実用新案法:事例問題がメインで、小問が多いです。更に問題文が長いです。時間との戦いですが、小問の一つ一つは簡潔に、的確に答えられれば難しくはないと思います。
 意匠法:数年前までは事例を挙げた問題が多かったですが、近年は問題文が短く、何を書いたらよいか一見すると分からなくなります。注意して問題文を読み、そこから答案に何を書くべきか編み出す力が要求されるでしょう。
 商標法:意匠法のような問題が配点4割、特許法・実用新案法のような問題が6割といったところでしょうか。解答で書くことが多すぎて、解答用紙が足りなくなるのでは?と唯一懸念した科目でした。

 直前期に過去問に取り組むなら、近年の問題を本試験に近い日にスケジューリングし、科目、問題のスタイルごとに解答へのアプローチ方法を確認するのもよいと思います。

 次回は10月23日(金)に投稿予定です。次回以降、論文必須試験まで、私が過去に行った論文必須対策についてお伝えしようと思います。