EPOによる国際調査と国際予備審査の活用
欧州特許庁(EPO)へ出願予定の場合に
国際段階でEPOの国際調査・国際予備審査を受けるメリット
欧州特許庁(EPO)への移行を予定しているPCT国際出願では、国際段階でEPOの(補充)国際調査および(国際)予備審査を受けることにより、
権利化までの期間短縮および総費用の削減が可能となります。
JPO国際調査とEPO国際調査の比較

EPOによる国際調査は、日本特許庁(JPO)による国際調査と比べて初期費用は高額です。
しかし、EPOで国際調査を受けた場合、欧州移行後に補充調査が不要となるため、
補充調査の庁費用および現地代理人費用が発生しません。
さらに、EPOでの権利化が約1年早まるため、出願維持年金の負担が軽減されます。
また、EPO移行時に必要となる国際調査報告への応答書類を国際段階で完成できるため、
欧州移行後の代理人費用が抑えられ、総費用の削減につながります。
JPO国際調査後にEPO補充国際調査を行う場合
JPOで国際調査を行った場合でも、優先日から22か月以内であれば、
EPOに対して補充国際調査(Supplementary International Search)を請求できます。
この場合も、欧州移行後に新たな先行技術が発見されるリスクが低減し、
欧州特許の権利化費用を抑制できます。
さらに、早期に先行技術を把握できることで、
米国出願におけるIDS提出回数の削減につながり、
グローバル全体での出願費用が低減します。
EPO国際予備審査の活用(EPO国際調査を行った場合のみ)

EPOで国際調査を行い、補正後もなお拒絶理由が予想される場合には、
EPOによる国際予備審査(Chapter II)を請求することで、
欧州移行後の審査コストを大幅に削減できます。
① 庁費用の削減
EPO国際予備審査は高額ですが、これを受けることで
EPO移行後の審査請求料が1/2になります。
② 欧州移行後の審査への好影響
国際予備審査請求と同時に、国際調査結果を踏まえた補正を行うことで、
EPOから審査の見解書(拒絶理由通知相当)が得られます。
これに対し、意見書・補正書の提出や電話面談を行うことができ、
国際段階で肯定的な予備審査報告書を得られれば、
EPO移行後にほとんど拒絶理由を受けません。
国際予備審査を担当した審査官が、欧州移行後もそのまま審査を継続するためです。
他国(米国・中国等)への波及効果
EPOで発見された先行技術を考慮して補正を行うことで、
他国における拒絶理由が減少し、
無効になりにくい強い特許を取得できます。
特に、特許訂正が困難な米国および中国では重要な戦略です。
EPO移行を見直し、ドイツ移行等への変更も可能
EPOは補正制限が厳格ですが、国際段階でEPO審査を進めておくことで、
EPOで認められない補正が必要と判明した場合に、
EPO移行を中止し、ドイツ移行等へ変更する選択肢を残すことができます。
PCTルートとパリルートの費用比較

国際段階でEPOから2回の進歩性欠如の指摘を受け、それらを反映して補正を行った結果、
他国での拒絶理由が減少した場合、
PCT経由の権利化総費用はパリルートより低くなるケースがあります。
ただし、権利化を意図的に遅らせて
分割出願や補正の柔軟性を維持したい場合には、
本手法が必ずしも適切とは限りません。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
