EPO(欧州特許庁)における早期権利化による費用削減

2021.10.25

EPOには、出願(PCT経由ではPCT出願)の2年後から年金(出願維持年金)を支払う必要があります。特に4,5,6年後の年金はそれぞれEUR855, 1090, 1210(11~16万円)と高額なうえ(2021年5月現在)代理人費用も加わります。このため権利化を遅らせたい場合を除き、以下の手続により審査を早めることをお勧めします。

1.早期処理(early processing) の請求
PCT経由の出願では早期処理を請求しない限り、優先日から31月経過するまで補充調査(supplemental search)の順番待ちに並びません。期限前に国内移行する場合は、早期処理の請求により審査が早まります。早期処理の請求は無料です。

2.調査前の補正機会の通知(Rule 161/162)の放棄
PCTから欧州へ移行すると、およそ一月後に補正の機会が通知されます(Rule 161/162)。補正期間は6月間あり、早期に応答してもPACEを請求しても6月間は調査が行われません。そこでこの通知を予め放棄すると調査が早まります。通知の為の代理人費用も節約され出願人の業務も簡素になります。そこでEPO移行時に必要な補正をした上で、この通知を放棄することをお勧めします。

3.調査後の補正機会の通知(Rule 70(2))の放棄
調査報告前に審査を請求し、かつ調査報告後の補正機会の通知を予め放棄することでも権利化は早まります。しかし数回の拒絶理由通知を経て審査が終わらないと口頭審理が開かれます。口頭審理は高額なので、これを避けようとするあまり権利範囲を減縮する恐れがあります。そこで権利化に苦労しなそうな場合にのみ,この通知を放棄することをお勧めします。逆に広い権利にチャレンジする場合は、放棄しないことをお勧めします。

4.PACE(早期審査)の申請
先行技術文献の調査のPACEと,審査のPACEに分かれていますが、PACEを申請しなくても調査は比較的早く行われます。一方で審査のPACEは、請求をすると3月程度で審査結果が得られるので効果が大きいです。日本と異なり拒絶理由通知後でも請求をでき,欧州代理人費用は1~2万円です。審査促進の効果はPPHと同じですがPACEのほうが簡易なので安価です。

5.RYUKA独自のご提案: EPOによる補充調査を国際段階で終えておく
EPOによる補充調査をPCTの国際段階で終えておくと、EPOでの審査が早まり、年金だけでなく欧州代理人費用も削減されます。詳細については、EPO補充国際調査のご提案をご覧ください。